ものすごいインパクトのある出来事に出会うと
一生忘れなくなる。
そう言えば僕は個人力の話に出てきた高知県のユースホステルで
「一生忘れないインパクト」をテーマに活動していた時期があった。

僕は大学3年の夏にバイクで、
大学4年の春に自転車(ロードレーサー)で
高知県宿毛市にある「宿毛ユースホステル」に訪れた。
最初はたまたまだったが、その場所がとても気に入った。
深い山の谷に流れる清流は四万十川と源流が同じ。
そのすぐ横にある古民家風の家が宿毛ユースホテル。
玄関の居間にはでっかい檜のテーブルがあり
旅人たちがそこですぐに仲良くなれるのだ。

1989年大学4年の夏
僕はそこで2週間アルバイトをした。
僕は受付をはじめとしてお客さん対応をやることになった。
今風に言えばコンシェルジュのような感じ。

「おかえりなさい」と言ってお客さんを出迎え
料金をもらって
シーツを渡して
ユースの説明をする。
「川がトイレになってますのでそこでどうぞ。」
と冗談を言ってお客さんの目が丸くなるのを見るのが楽しくて仕方なかった。

特に気を配ったのが
一人で寂しそうにしているお客さんを見つけて話しかけて
まず僕と打ち解ける。
そしてその人を他のお客さんと繋げる、ということを
よくやっていた。
そんな中でどうしても上手くいかないお客さんたちもいたのだ。

それが数人でグループでやってくるお客さんたちだ。
その人たちはユースの中でもご飯のときも
いつもベッタリでその他の人たちと友達になろうという気が
まったくなかった。
何か声をかけると
「うちらのグループにはかかわらないで」という
オーラを出しまくって拒否していたのだ。

一方、ひとり旅をしてきた人たちは
オープンマインドな人ばかりで
同じく一人旅をしてきた人たちと
すぐに打ち解けて仲良くなっていった。

一番最初に僕がユースに行った時の風景を
今でも覚えている。
その日は1日中雨で僕は宇和島方面からカッパを着て
バイクを走らせていた。
夏とは言え雨の中をずっと走るのは
神経を使うししんどいものなのだ。

宿毛ユースホステルは宿毛市街から
さらに川沿いに8キロほど上流に行ったところだった。

カッパで玄関に入ると
子供が4人出てきた。

ふたりはユースのおじさんの孫(小学生)
色の黒い男の子は大阪から自転車一人旅をしてきた中学2年生
女の子はヘルパーの大学生だった。

着替えて風呂にはいって出てきて寛いでいると
旅人が雨の中続々やってきた。

映画監督を目指している高校2年男子は自転車で
24歳のバイクの兄ちゃん、
白い透明のカッパを着て玄関に入ってきた大学生は
なんと歩いて来たという。
あっ、そういえば昼間にバイクで追い抜いたぞー
と盛り上がったり。
もういろんな奴がいて
本当に楽しかった。

ある時、めっちゃ格好つけてる東京から来た若いのがいた。
昼の休憩時間にそいつとそいつが引っ掛けた女子を川に誘った。
で、そいつをそそのかして
川の崖に登らせたのだ。
そこからターザンのロープがあって
一度登ると飛び込むしか戻る方法がないのだ。

僕は登り方を示しながら先に登って
先に飛び込んでしまった。

その格好つけの若いのは
崖の上で「無理だよ~」「本当マジで」などと
叫び始めた。
めっちゃ面白い(^^)

ちょうどそこに宿泊していた小学生がやってきて
「ほら、お兄さんが飛び込むから応援しようよ。」
っていうと、小学生たちは「がんばって~~~」と
応援しはじめた。

格好つけの若いのは調子に乗って
その後飛び込んだ。(偉い)
ところが水に落ちぎわに手を広げていたので
手が「腹打ち状態」になってしまい
浮き上がってきての第一声が

「手の骨が折れた~~~」

だった。もう大騒ぎだった。
で、岸に戻ってきたら
「あっ大丈夫だ。」と。
もう「ビックリ大成功」並みに
面白かった。

僕は、なんていうんでしょうね、、
こういう未経験の人を
嫌でも経験せざる状態にじわじわ追い込んでいくのが
好きなのかもしれない。
これってSやな。。(笑)

夜は囲炉裏のある別棟に移り
ギターやゲームや怪談話の司会を僕がやり
お客さんを一晩中楽しませた。
この楽しさの「質」がまったく他の楽しさとは違った。
寝ないでも大丈夫なほどエネルギーが湧き出てきていたのだ。

一人ずつお客さんがベッドに戻り
やがて朝が来てお客さんが帰る時になる。
せっかく仲良くなったのに、すごく別れは寂しい。
だけど皆それぞれの旅があり、自分の旅に帰っていく。
一晩だけの出会いだったけど
その思い出を胸に皆が旅立っていくのを
「いってらっしゃい」と送り出す。

みんなを送り出したらユースの掃除をする。
そしたらもう昼ごはん。
おじさんが昼からビールを飲ませてくれて
3時頃まではフリータイム。
よく川に泳ぎにいっていた。
そしてまた3時頃からその日のお客さんを迎えるのだ。。

思い出したことっていうのは、
ユースホステルでテーマにしていたのは
「一生忘れないインパクトをお客さんに与える」
ということだった。

何歳になっても
「あの宿毛ユース面白かったな~」
と言ってもらえるように、と
思って活動していた。

今ブラジル太鼓をやっているが
これと同じ「一生忘れないインパクト」
がコンセプトになっている。

このあたりが
UD16舞台星人の
一生変わらない特徴のひとつなのだろう。


ネットにあった「宿毛ユースホステル」
おじさんがユースを閉めてかなりたつが
まだ建物はあるみたいだ。
最初に宿泊したのはたまたまで、しかも
ほんの1泊だけだったが、
ここは僕の人生を変えてくれた場所になった。

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69日目その2


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